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千船病院では「ストリートメディカル 」実践中!

2025.04.09 コラム 村田尚寛(千船病院 リハビリテーション科 科長)

 

 ストリートメディカルとは何か−それは「Happy( 幸福)」を感じながら自然と健康になるよう促すことや、病院を生活の場としてアートやデザインなどを取り入れながら「Happy( 幸福)」を感じ取ってもらえるような場にすることです。

 千船病院を少しでも落ち着く場にできるように少しでもHappy を感じてもらえるように心がほっと「いっぷく」できる環境づくりを行うプロジェクト「いっぷくプロジェクト」として実行してまいりました。第1弾となった「いっぷく相談室」では相談室に世界の名画を飾って不安やストレスが軽減されるか検証しています。

 また季節のイベントに合わせた「いっぷく七夕」「いっぷくクリスマス」も実施。病院の待ち時間を少しでも楽しくする参加型アートを実装し、多くの人にまたやって欲しいというお声をいただきました。

 また、現在問題になっている「サルコペニア」を啓発する取り組みも行いました。サルコペニアとは加齢に伴い筋力量が減り、病気の重症化や介護が必要になるリスクが増加すること。今後高齢化が進む中でいかに筋肉量の低下を防ぎ、健康寿命を延伸していくかが課題となります。

 楽しみながらサルコペニアを意識してもらうため、横浜市立大学先端医科学研究センターコミュニケーションデザインセンター(YCU-CDC)と協力し「さるコペニア」の配布を始めました。これは、ふくらはぎの太さをその場で測れる(さるが足に絡みつく)ようになっています。

 さらに—。

 東京藝術大学と認知症アプリを開発中です。これは認知症課題を汎用したアプリにすることで日常からゲームを通して楽しく認知症の啓蒙や早期発見に繋げていくことが目的です。これは2022年10 月22 日にあった西淀川区健康いきいき展の「認知症ブース」に出展、区民の方に体験してもらいました。現在、これらのデータを集めてアプリの有用性を検証しています。

 最後に地域に関する取り組みとしては「イネーブリングシティ西淀川区プロジェクト」として2025 年大阪・関西万博、TEAM EXPO2025 共創チャレンジに登録して活動しています(https://team.expo2025.or.jp/ja/challenge/785)。今後も千船病院のストリートメディカルの試みにご注目ください。

 

文 村田尚寛(千船病院 リハビリテーション科 科長)

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