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常にポジティブな 「縁の下の力持ち」

2025.01.15 ちぶね〜ぜ 企画・医療情報部門 医療情報担当 段野香苗

 病院を支えているのは医師や看護師だけではない。

 例えば、診療に欠かせない電子カルテなど、院内の情報インフラ全般を担う医療情報担当者もなくてはならない存在だ。段野香苗もそのひとり。

 情報システム関連の他、病院運営に関する情報を管理したり、部門横断の複数の委員会で活動したりと、さまざまな面から病院運営を支えている。

 病院で働く人々のITリテラシーは、一般企業以上にバラバラだ。

「新しいシステムの導入や運用が変わる際など、現場では“また変わったん?そんな操作せなあかんの?”と戸惑う声が聞こえてきます。その気持ちを受け止めて個別にレクチャーしたり、個々の理解度に合わせて伝え方を変えたりと、きめ細かくフォローするようにしています」

 また、日々の“草の根活動”も大切にしている。

「よくあるのが診察の際に医師のパソコンモニターが突然映らなくなるトラブル。そのほとんどは、電源コードがモニターから外れているだけのことが多いんです。だから、日頃からまず電源コードを確認してくださいね、と伝えています。単純なことですけど、これだけでも患者さんを待たせなくてすむし、現場のストレスはぐっと減りますから」

 ポジティブな発信も忘れない。アナログな仕事に時間をとられているスタッフに対して効率的な情報システムの活用方法も積極的に伝える。

「相談されてこそ解決策を提示できるので、普段から相談しやすい雰囲気をつくることも大切にしています」

 これらの活動が功を奏し、最近では「こんなこともできるかな?」と相談されることも増えてきたという。システムは万能な魔法ではない。制限がある中でもいかに実現できるかを考え、願いを叶えられるよう奮闘する。システムによって事務作業などの時間を短縮できれば、現場の医師や看護師が患者に向き合える時間も増える。間接的に、医療の質向上に寄与するはずだ。

 そんな段野は情報をアウトプットするだけでなく、自身のインプットも怠らない。一般企業から千船病院の母体である愛仁会に転職してから、「基本情報技術者試験」、「医療情報技師」という情報系の資格を2つ取得。さらに現在、医療系の経営を学ぶために大学院にも通っている。

「上司からすすめられ、迷わず通うことを決めました。平日の業務終了後や休日の通学で大変ですが、病院をより良くできる知識をしっかり身につけたいです」

 段野はあくまで前向きである。それも千船病院を良くしたいという思いがあるからだ。

取材・文 今中有紀  写真  奥田真也

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