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ちぶねNOW

2020.11.16

食物アレルギー検査|食物経口負荷試験について|小児科

食物アレルギーの診断と治療法 その1

ここがポイント

  • 食べ物に対するアレルギーのある人は増えています

    子供によっては、食べものにより「食物アレルギー」の症状や「アナフィラキシー」が起きることがある

  • 診断の決め手は食物負荷試験

    血液検査だけでは実際の症状と結果に差が出ることもあるため、診断には食物負荷試験が必要

  • 食事療法を使ったアレルギー治療

    閾値を知ることが食物療法の第一歩

目次

1食べ物に対するアレルギーのある人は増えています

食べ物に対するアレルギーのある人は増えています

離乳食に卵粥を食べて蕁麻疹が出たり、吐いたりする子ども、牛乳やパンを食べて真っ青になったりする子どもが増えてきています。

食べ物によって、皮膚、粘膜、呼吸器、消化器、循環器などに様々な程度の症状が出る状態を「食物アレルギー」と呼び、多くの症状が同時に出る場合を「アナフィラキシー」、特に血圧低下が起こる場合を「アナフィラキシーショック」と言います。

2診断の決め手は食物負荷試験!血液検査は診断の補助に過ぎません

診断の決め手は食物負荷試験!血液検査は診断の補助に過ぎません

診断は、どのようなものを食べて、食後どのくらいの時間が経ち、どのような症状が出ているかを詳しく聞くことでおおよその見当をつけ、アレルギーの血液検査を実施します。但し、血液検査が陽性であっても、食べても症状が出ない場合や、その逆の場合もあります。きちんと診断をつけるには、食物負荷試験を行います。

負荷試験には血圧低下などの重篤な症状を起こすこともあるため、原則は日帰りまたは1泊の入院で実施します。様々な方法がありますが、当院では試したい食物の量を決めて、1/4と3/4位に分割して、午前中に1時間間隔で2回(例:①固ゆで卵黄1/4個→卵黄3/4個、②牛乳5mL→15mLなど)食べていただきます。もちろん医師・看護師が症状出現時はすぐ対処できる体制で行います。

原則日帰りで行いますが、強い症状が出た場合は経過観察のために1泊入院となります。

3アレルギーのある人でも、特定の食物の除去は最小限にして食事療法で治せることも多い

アレルギーのある人でも、特定の食物の除去は最小限にして食事療法で治せることも多い

この試験は、食物アレルギーの有無だけではなく、どの程度の量を越えて摂取すると症状が出るのか(”閾値”と言います。)を決める手立てにも用います。その後、閾値以下の食物を食べ続けることで治療にも繋げますが、このことは字数の関係で、次回のリレーエッセイでご説明します。

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