大腿骨近位部骨折の治療
大腿骨近位部骨折は高齢者における4大骨折の1つで、骨粗鬆症に伴う代表的な骨折です。
2010年には約18万人、2020年には約25万人、2030年には約30万人、2042年には約32万人の大腿骨近位部骨折が発生すると推計されており、多くの方が骨折を契機に生活の質(Quality of life)を損なってしまうため、社会問題となっています。
骨折そのものによる障害に加え様々な合併症を起こす可能性が高いことが問題です。具体的には褥瘡、尿路感染症、肺炎、認知症の出現・増悪などがあります。
そのため早期に手術を行い、リハビリを開始することが望ましいとされており、当院でもできる限り早期に手術加療を行えるよう、他科と連携した治療に取り組んでいます。
治療方法
■大腿骨転子部骨折の治療
骨癒合が得られやすい骨折であり、一般的には髄内釘を用いた骨接合術が行われます。
■大腿骨頚部骨折の治療
図1 大腿骨頚部骨折に対する骨接合術
図2 大腿骨頚部骨折に対する人工骨頭置換術
骨癒合が得られにくい骨折であり、一定の条件面を満たせばネジやピンによる骨接合術(図1)が可能ですが、人工骨頭置換術(図2)が必要となることも多いです。