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診療部 ― 整形外科

五十肩・ヘルニア・リウマチの治療

五十肩(肩関節周囲炎)の治療

中年以降、特に50歳代によく見られる肩の障害です。
肩の関節軟骨や関節の袋や筋などが老化に伴い炎症を起こし、肩を動かす時に痛みを感じたり、十分動かせなくなった状態をいいます。
ひどい方では痛みのために十分寝られなくなったり、全く肩が動かせなくなったりします。(「凍結肩」といいます)

検査方法

押さえて痛い部位や動きの状態などで判定し、レントゲン撮影、MRI検査などで確定します。

治療方法

湿布や軟膏などの外用薬や炎症を抑えて痛みを軽減する内服薬、肩の関節内注射などの薬物療法、肩を温めたり、動きをよくするリハビリ療法、そして手術療法があります。 当科での手術療法は関節鏡を用いて小さなキズで行います。術後の痛みが少なく、早期に回復できます。

腰椎椎間板ヘルニアの治療

腰の背骨は通常5つあり、骨と骨の間には椎間板というクッションと、椎間関節という関節があります。また、椎間板のすぐ後ろには脊髄神経が走行しており、椎間板がヘルニアを起こし後方へ飛び出すと、後ろにある下肢へ向かう神経を圧迫し、腰痛と共にお尻や下肢に痛みやしびれ、下肢の筋力低下等が出現します。

検査方法

下肢伸展挙上試験や、足の筋力低下があったり感覚が鈍くなったりしていないかを確認し、さらにレントゲン検査やMRI検査で診断を確定します。

治療方法

薬やコルセット、ブロック注射等の保存的加療で約7~8割の患者さまの症状がやわらぐと言われていますが、明らかな筋力低下のある方、神経が押さえられて膀胱や直腸の障害がおきている方、保存的治療に反応が乏しく強い痛みのために日常生活・社会生活に支障をきたされている方は手術の適応となります。

関節リウマチの治療

女性に多い原因不明の多発性関節炎です。朝のこわばりが特徴で、免疫の異常により手足を中心に骨・関節・靭帯などに腫れや痛みが続きます。関節は1〜2年で急速に変形していきますので、早期に発見し、早期に治療を開始することが重要です。

治療方法

最近は、抗リウマチ薬の進歩により薬物療法の治療成績も良くなってきました。しかし、関節炎により変形や腱の断裂、関節破壊が進行してしまった場合には人工関節置換術を含む外科的な治療法も選択されます。関節リウマチの治療ではリハビリテーションも大切で筋力トレーニングや痛みの少ない生活のための指導、装具の処方などを行います。また、体が不自由なため自宅で介護が必要となった場合には、地域医療科と連携し、障害者自立支援法や介護保険を利用できるように手続きを行います。