2020.04.09
“たくさん歩けば長生きできる”
リレーエッセイ ~ ドクター編 Vol.17 ~
ここがポイント
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歩数が多いといいの?
今年3月に有名な米国医師会雑誌(JAMA誌)に“1日に歩く歩数が多いほど死亡リスクが低下する”という報告が発表されました。
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まずはじめにおススメなのは?
週に3日以上、1時間程度のウォーキング(できれば20-30分程度は“ちょっときついな”程度の早足歩行を入れる)をお勧めします。
1“1日に歩く歩数が多いほど死亡リスクが低下する”
前回のちぶねnowで血管外科の松尾先生が”散歩のすすめ”のエッセイを記載されていましたが、それに関連するおもしろい発表を見つけましたので、ご案内します。
今年3月に有名な米国医師会雑誌(JAMA誌)に“1日に歩く歩数が多いほど死亡リスクが低下する”という報告が発表されました。対象者の平均年齢は56.8歳、全ての原因による死亡率は、1日の歩数が4,000歩未満の群で76.7/1,000人年、4,000~7,999歩群で21.4/1,000人年、8,000~1万1,999歩群で6.9/1,000人年、1万2,000歩以上群で4.8/1,000人年と、4,000歩/日群と比べて、8,000歩/日群では51%、1万2,000歩以上群ではなんと65%の死亡リスクの低下を認めました。一方で、歩行強度と死亡とには有意な関連は見られなかったそうです。
運動には2種類あって、一つはジョギングやサイクリング、水泳などの有酸素運動、もう一つは筋トレなどのレジスタンス運動があります。もともと運動習慣のある方は問題ありませんが、運動習慣のない方がいきなりジョギングを始めると十中八九膝や足の関節を痛めてしまいます。ですので、まず週に3日以上、1時間程度のウォーキング(できれば20-30分程度は“ちょっときついな”程度の早足歩行を入れる)をお勧めします。
新型コロナウイルス感染症のために不要・不急の外出を控える必要はありますが、オーバーシュート時でも政府の許可証をダウンロードして携帯すれば、体力を落とさないことを目的に1日1時間程度のウォーキングが認められている国もあります。新型コロナウイルス感染症の危機を乗り越えるためにも、栄養と体力の維持を心がけましょう。