2021.06.17
停留精巣(停留睾丸)手術とは|泌尿器科(千船病院)
停留精巣(停留睾丸)手術
ここがポイント
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停留精巣ってなに?
正常位置(陰嚢内)に精巣が降下していない状態のことをいいます
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停留精巣は治療が必要?
早めの診断、治療が必要です
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停留精巣の検査や治療は?
治療は生後6ヶ月以降に手術をおこないます
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停留精巣と遊走精巣(移動性精巣)とは違うの?
遊走精巣(移動性精巣)は経過観察で問題ありませんが、ご心配な場合は診察をお勧めします
1停留精巣ってなに?
停留精巣とは正常位置(陰嚢内)に精巣が降下せずに腹腔内や鼠径部、陰嚢上部に留まっていることを言います。この症状は満期産児の3%に認められ、その後の6ヶ月以降でも約1%に認められます。このような停留精巣には発生異常をともなうことが多いため早めに診断することが大切です。
2停留精巣は治療が必要?
正常位置の精巣に比べて環境温度が高いため造精機能に障害が生じるとされています。また正常位置にある精巣と比較し悪性腫瘍の発生率が2倍以上といわれており、整容的な理由も含めて治療が必要な疾患です。
3停留精巣の検査や治療は?
診断には触診と超音波検査が必要です。触診や超音波検査でも精巣の位置が不明瞭な場合は、非触知精巣として局在検索のために腹腔鏡検査が必要になる可能性もあります。治療は生後6ヶ月以降に精巣固定術という手術治療をおこないます.精巣の位置によっては腹腔鏡下手術を選択することもありますが、一般的には2〜3cm程度の小切開創にて行なうことが可能です。
4遊走精巣や移動性精巣とは違うの?
類縁疾患である遊走精巣(移動性精巣)は多くの場合自然下降するので経過観察で良いですが、なかには精巣が挙上して停留精巣と同じような状況になることもあるため小児泌尿器科での診察が必要になります。