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ちぶねNOW

2020.11.02

新型コロナウイルス感染症と糖尿病|糖尿病内分泌内科

新型コロナウイルス感染症と糖尿病|糖尿病内分泌内科

ここがポイント

  • 糖尿病があっても感染率は変わらない?

    糖尿病患者の新型コロナウイルスの感染リスクとは

  • 糖尿病患者の感染予防と血糖コントロールの重要性

    高血糖は感染症全般に対して不利に作用する

目次

1糖尿病があっても感染率は変わらない?

糖尿病があっても感染率は変わらない?

新型コロナウイルス感染症が世界規模で猛威をふるい、数多くの生命を奪い、人々の生活を激変させています。私たち糖尿病内分泌内科では、日々多くの糖尿病患者さんが通院されていますが、その多くの方が不安を抱き、外出自粛など生活の変化に苦労されています。

 

新型コロナウイルス感染症の重症化リスクとなる基礎疾患として、癌、慢性腎臓病、慢性閉塞性肺疾患、臓器移植による免疫不全状態、肥満(BMI30以上)、心不全、冠動脈疾患などの心疾患、2型糖尿病などが挙げられます。このように糖尿病があると新型コロナウイルス感染症は重症化しやすくなります。ただ、これまでの調査から糖尿病があるだけで感染しやすくなるわけではないこともわかっています。従って、糖尿病患者さんにとって、まず重要なことは基本的な感染予防対策、つまり、手洗いの励行、マスク着用をはじめとする咳エチケット、身体的距離の確保、3密を避けるなどの『新しい生活様式』を実践することになります。

2糖尿病患者の感染症対策と血糖コントロールの重要性

糖尿病患者の感染症対策と血糖コントロールの重要性

また、2型糖尿病の本体である高血糖はコロナウイルスだけでなく、感染症全般に対して不利に作用するため、感染した場合の重症化を防ぐためには普段から良好な血糖コントロールを保つことが重要になります。新型コロナウイルス感染症の2型糖尿病患者において血糖コントロールが良好であると生存率はほとんど下がらないとの研究報告もあります。

 

もう一つ注意いただきたいことは、発熱や下痢・嘔吐で食欲低下、体調不良になったときには脱水状態となり、血糖コントロールが乱れやすくなります。食事が摂れないからといって糖尿病のお薬やインスリンを中断してしまうことで、逆にひどい高血糖となり命の危険にさらされることもあります。体調不良時はできるだけ早めにかかりつけ医など医療機関にご相談ください。

 

このように、大変なコロナ禍の状況の中ですが、糖尿病の治療の基本である正しい食事療法・運動療法が大切です。わからないことがあれば気軽に担当医にご相談ください。

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