2020.09.17
直腸がんの腹腔鏡下手術について|外科
"直腸がん"手術にあたっての腹腔鏡下手術の有用性と技術の進化
ここがポイント
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“直腸がん”手術に有用である腹腔鏡下手術
腹腔鏡下手術はがんの根治性と機能温存の精度を高める手術法である
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“直腸がん”手術の進化
腹腔鏡下手術はさらなる発展を遂げている
1“直腸がん”手術に有用である腹腔鏡下手術
“直腸がん”に対する手術は100年以上前から行われていました。
長らく開腹での手術が行われてきましたが、30年程前に腹腔鏡下手術が開発され、その後の手術機器の進化や手術手技の向上により、直腸がん手術にも腹腔鏡下手術が行われるようになってきました。
腹腔鏡下手術は傷が小さく、痛みが少なくて美容的にも優れた手術として知られていますが、それ以外にも腹腔鏡の近接視・拡大視効果により肉眼では見えにくい神経や血管なども明瞭に観察できるという利点があります。直腸がんの手術では切除して取り除く部位と温存すべき排尿・性機能に関わる神経が密接しているため、がんの根治性と機能温存の精度を高めるためには腹腔鏡下手術は非常に有用な手術方法であると言えます。
2“直腸がん”手術の進化
直腸がん手術の中でも、肥満体型や骨盤が非常に狭い場合、腫瘍が大きい場合などで手術が難しくなるケースがあります。このような手術の難しさを克服するために主にヨーロッパで普及しているのが、肛門側から直腸を切除することができる『経肛門的全直腸間膜切除術』という方法が近年日本でも行われるようになりました。当院でも適応症例に対して施行しています。
さらに、腹腔鏡下手術を発展させたものとして、ロボット支援下手術という方法があります。手術を行う器具とカメラをロボットを用いて制御することで、より精密な手術が可能となりました。以前は自費診療で手術が行われていましたが、2018年より直腸がん手術にも保険が適応されるようになりました。当院ではすでに泌尿器科と産婦人科でロボット支援下手術が行われていますので、外科でも今後導入していく予定にしています。
直腸がん治療において重要な位置を占める手術治療ですが、より高い根治性を目指して日々進化を続けています。
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