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2022.11.18

第7回国際肥満代謝外科学会アジア太平洋支部会議|千船病院

第7回国際肥満代謝外科学会アジア太平洋支部会議

ここがポイント

  • 国際肥満代謝外科学会に講師として招待されました!

    フィリピンのマニラで開催された学会で日本での治療方針を紹介しました!

  • 日本と韓国の保険適応の状況

    日本では2014年からスリーブ術が保険適応となっていますが、韓国では保険診療を行える BMIの基準が30以上と世界で最も進んでいます。

目次

1第7回国際肥満代謝外科学会でレクチャーを行いました!

第7回国際肥満代謝外科学会でレクチャーを行いました!

 11月3〜4日にフィリピンのマニラで開催された第7回国際肥満代謝外科学会アジア太平洋支部会議で講師として招かれ、レクチャーを行いました。

 肥満・糖尿病の治療分野は世界中で新しい研究がさかんに行われ非常に速いスピードで進歩しています。

 手術の適応となると肥満の重症度や肥満にかかわる病気の進行度、国の保険制度や人種差、食事環境、術者のトレーニングやトレーニングを受けた時代背景、経験手術数や手術時間などにより選択できる術式が異なってきます。

 BMIが50を超える超重症肥満の患者さんに対する日本での治療方針を紹介しました。

2日本と韓国の保険適応の状況

日本と韓国の保険適応の状況

 千船病院は現在近畿圏の3つの大学病院へ減量手術の導入支援を行っていますが、この数年で日本でも減量手術を導入する施設が急速に増加しています。

その背景には手術が安全に導入され、優れた治療効果が認識されるようになったこともありますが、2014年からスリーブ術が保険適応で行えるようになったことが一番大きいと考えています。

 この手術を保険診療で行える国はアジアではまだ多くありませんが、お隣の韓国では保険診療を行えるBMIの基準が30以上と世界で最も進んでおり、かつ多くの術式が選択できる状況です。

 2018年に韓国で幅広く保険適応が拡大された経緯について仁荷大学のYoon Suk Heo教授からご発表(画像の一番右)がありました。

保険診療の認可を行う委員会へ、当時の最も新しい糖尿病に対するガイドラインや2000以上の文献の中から選択された97の論文を提出されたそうですが、医療者側の努力もさることながら、治療の有効性と安全性についていち早く理解された委員会関係者の方々へ敬意を表します。

3患者さんひとりひとりにあわせた最適な治療の提供にむけて

患者さんひとりひとりにあわせた最適な治療の提供にむけて

 スリーブ状胃切除術に続く第2の術式として、アジア人の肥満や糖尿病に適した治療効果の高い術式が日常の保険診療として認可されるためには一施設での研究成果をみているだけではだめで、北米に負けず多くの施設で力をあわせ臨床研究を行い、短期間で治療効果を検証してく必要がある、と発表を締めくくりました。

 3年ぶりに現地開催での学会に参加し、同じアジア人として志を同じくする者同士で意見を交換しましたが、旧交を温め新しい友人もたくさんできました。国内の施設はもちろん、アジア諸国の外科医と力をあわせ、患者さんひとりひとりにあわせた最適な治療の選択肢を提供できる日を、一日でも早められるように一層努力していきたいと考えています。

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