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ちぶねNOW

2023.05.23

心房細動のカテーテルアブレーション治療

心房細動のカテーテルアブレーション治療

ここがポイント

  • 心臓の構造と頻脈、カテーテルアブレーションについて

    頻脈ってどんな病気?カテーテルアブレーションとはどんな治療?

  • 心房細動について

    心房細動は根治ができないが、肺静脈へのアプローチが有効な場合がある

目次

1心臓の構造と頻脈、カテーテルアブレーションについて

心臓の構造と頻脈、カテーテルアブレーションについて

心臓は筋肉で出来ています。心臓の筋肉に電気信号が伝わることで心臓が動きます。

心臓には心房と心室という部屋があります。通常であれば心房が動いた後心室が動きます。

心室が動くと大動脈に血液が出ていきます。心拍数は心室が1分間に動いた回数です。

 

頻脈(心拍数が増加する不整脈)発生時は、異常な電気信号が発生する、あるいは異常な電気回路が形成される事で結果的に心室が早く動かされてしまうことで心拍数が多くなります。

 

カテーテルアブレーションを日本語訳すると心筋焼灼術となります。

心臓の筋肉(心筋)を焼く手術という意味です。アブレーションカテーテルという高周波で熱を発生させるカテーテルを使って異常な電気信号/電気回路を焼くことで不整脈を治療します。

2心房細動について

心房細動について

代表的な心房細動に関して説明します。

 

心房細動は「心房が細かく動く」と書く通り心房が異常な電気興奮で震えるように動きます。それに伴い心室が早く動くことにより心拍数が多くなります。心拍数が多くなることで動悸を感じる、あるいは心不全になることがあります。

 

心房には右心房と左心房がありますが、左心房には行き止まりの場所である左心耳というところがあります。心房が震えるように動くので、左心耳に血栓(血の塊)が形成されてしまいます。血栓が剥がれ落ちてしまうと様々な動脈に詰まってしまいます(血栓塞栓症)。その際に頭に行く血管が詰まると脳梗塞、心臓に広がる血管が詰まると心筋梗塞となり、この他にも手や足や内臓に広がる動脈に詰まることなどもありますが、多くは脳梗塞を起こしてしまいます。そのため、心房細動が見られる患者様には血栓塞栓症の予防として血をさらさらにする薬を服用していただきます。

 

心房細動が起きなければこのような事は起こらなくなりますが、心房細動の際にどのような電気信号で心房が動いているのかに関してはまだ解明されていないため根治は出来ません。

しかしながら、心房細動が始まるメカニズムは発見されております。左心房には上下左右4本の血管である肺静脈(肺から心臓に酸素の豊富な綺麗な血を送る血管)がありますが、この肺静脈の異常な電気興奮が心房細動を発生させています。特に心房細動の初期の段階では肺静脈が原因であることがほとんどであるため、肺静脈の周囲を焼いて異常な電気信号を隔離させる手術(拡大肺静脈隔離)を行うことで心房細動は起こりにくくなります。

 

症状があって心房細動初期の段階であれば、高周波カテーテルアブレーション治療の適応となります。

当院でも頻脈性不整脈に対する治療として積極的に取り組んでいますので、不整脈や動悸などで困ったことがあれば一度受診してみてください。

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