2023.08.25
お腹を全く切らない婦人科腹腔鏡下手術(vNOTES)|産婦人科
お腹を全く切らない婦人科腹腔鏡下手術(vNOTES)
ここがポイント
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従来の腹腔鏡下手術との創部の違いは?
お腹を全く切らない経腟的婦人科腹腔鏡下手術です。
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従来の腹腔鏡下手術との比べて身体への負担は?
従来の手術と比較して、より低侵襲で身体に優しい手法です。
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vNOTESを適応できる手術はどんなものがあるの?
子宮筋腫や卵巣腫瘍、異所性妊娠のほか、婦人科の多くの疾患に適応可能です。
1お腹を全く切らない経腟的婦人科腹腔鏡下手術です。
お腹を全く切らず、膣から腹腔鏡下手術用内視鏡カメラや医療器具を挿入しながら行う手術です。
膣の奥に創部ができますが、外から見える創部はありません。
子宮筋腫等の子宮全摘術、卵巣腫瘍への卵巣腫瘍摘出術が対象手術になります。
vNOTES(Vaginal Natural Orifice Transluminal Endoscopic Surgery)と呼ばれています。
【図1】vNOTES手術
【図2】全くお腹に創部はありません
□利点
〇腹部に全く傷が残らないため整容性がより優れている
〇腹部を切らないため、腹部の創部痛がない
〇腹部を切らないため、腹部の創部感染がない
〇入院期間がより短い
〇社会復帰がより早い
□欠点
〇通常の腹腔鏡下手術より適応範囲がすこし狭い
※巨大腫瘍・子宮内膜症・癒着症例・性交未経験の患者さまの場合には適応外になる場合があります。
2従来の手術と比較して、より低侵襲な手法です。
お腹を全く切らず、すべての操作を膣から行う手法です。
従来の腹腔鏡下手術やロボット支援下腹腔鏡下手術よりさらに低侵襲医療技術です。
卵巣腫瘍摘出術後に妊娠したとき、手術の影響で帝王切開になることはありません。
入院および手術費用は従来の腹腔鏡下手術と変わりません。
※当院では子宮鏡手術も行っていますが、子宮鏡とは異なり、子宮全摘術や卵巣・卵管への手術が可能です。
【図1】vNOTES手術
【図3】従来の腹腔鏡下手術
【図2】vNOTES手術(皮膚に創ができない)
【図4】開腹手術
【図5】従来の腹腔鏡下手術
【図6】ロボット支援下手術
3婦人科の多くの疾患が対応可能です。
【図7】当院で可能な疾患と手術は上記の通りです。
入院期間の詳細については、下記のリンク『お腹を切らない腹腔鏡下手術』より、入院から退院までをご確認ください。