2022.04.12
手の外科ってなに?|整形外科
手の外科ってなに?
ここがポイント
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手の外科ってなに?
手指や手首の腱鞘炎(けんしょうえん)や骨折、関節の痛みのなど、「手」にまつわるあらゆる診断治療を専門的に行う分野。日本手外科学会認定手外科専門医制度があり、令和4年4月現在1,023人が国内外で診療にあたっています。千船病院整形外科では手指、手首、肘関節について手外科専門医が診療にあたります。
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どんなことが相談できますか?
手首や手指の関節が痛い、変形している、動きが悪い、指がしびれるなど
1「手外科」ってなに?
生まれたての赤ちゃんが差し出されたお母さんの人差し指を握り、御高齢の方が今際の際で愛する家族の手をつなぐ。よくある一場面ですが、老若男女問わず「手」は人生で長く、そして毎日使います。人間の体の中で最も緻密で最も鋭敏な感覚を持つ「手」、またそれを補助する肘関節の診断治療を専門的に担当させて頂くために「千船病院 整形外科 手の外科の専門外来」を2022年4月より始めました。
「手外科」の歴史はまだ浅く、第二次世界大戦など大きな戦争で負傷した兵士の治療などが大きく発展に寄与したと言われています。一方で手指の構造は小さく精巧で、求められる治療結果のハードルが高く、一般的に手全般について治療は難しいと言わざるを得ません。そのためか、「日本手外科学会認定専門医」も少なく日本国内ではようやく1,000人を超えた程度です(詳しくはホームページ:一般社団法人 日本手外科学会 (jssh.or.jp)をご覧ください)。
2どんなことが相談できますか?
手の症状は、関節が痛い、変形している、動きが悪い、指がしびれるなどなど様々です。
先ほど述べましたが、手は非常に繊細で精巧な器官です。ちょっとした動かしにくさや痛み、しびれでも違和感レベルで症状として現れます。病名を挙げますと、「腱鞘炎(けんしょうえん、ばね指)」、「手根管(しゅこんかん)症候群」、「母指CM関節症」、「へバーデン結節」などが多いのですが、意外と手以外に原因があったりすることもありますので、ひどくなる前に、手の症状は手外科専門医に相談してみることをオススメします。
3「歳だから」なんて言わないで
「歳だから」「もうすぐお迎えが来るから」口癖になっていませんか?
足腰であれば、たとえ手術ができなくても、杖や車椅子の準備をするという方法があります。しかし、手はそうはいきません。寝たきりになってしまっても、今際の際まで手は使います。お箸でご飯を食べる、ペンで名前を書くといった当たり前のことから、杖や車椅子、電動車椅子ですら、手が使えなければ使用できません。残りの人生、手の痛み、不便を少しでも解消できないか一緒に考えてみませんか?
手の領域は「歳だから」が通用しないと思っています。もちろん大変な治療を強要するつもりもありません。加齢以外に原因がはっきり分かればそれだけで気持ちが違うと思いますし、手術以外の方法についてもアドバイスさせて頂ければと思います。
手外科は重要な領域だと思うのですが、知名度が低いため、このように紹介させて頂くことが重要と考えます。手の症状でお困りの方が、当院に限らずお近くの手外科専門医を受診するきっかけになってくれれば幸いです。