2024.09.06
「関節の切らない治療『再生医療』はじめました~自費診療『PFC-FD™』~」
「関節の切らない治療『再生医療』はじめました~自費診療『PFC-FD™』~」
ここがポイント
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はじめに
再生医療の選択
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関節の再生医療とは?
再生医療の説明と方法
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効果と副作用は?
リスク・安全性について
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まずはご相談を
ご予約方法
1はじめに
変形性膝関節症や半月板損傷、靱帯損傷に対する治療について、これまでは、適応があれば保存的治療(痛み止めの薬・湿布、ヒアルロン酸の関節注射、運動療法・物理療法のリハビリ)を行い、それでも効果がなければ、関節鏡や人工関節などの手術治療しかありませんでした(図. 1)。これらは保険適応で、健康保険を利用して自己負担が軽減される治療です。
これからは手術を受ける前に、「再生医療」を選択することができます。当院でも希望されれば受けて頂けるように始めました。ただし、この治療は自費診療で、健康保険を利用できません。
2関節の再生医療とは?
再生医療には「細胞治療」と「細胞を含まない治療」の大きく2つに分けられます。「細胞治療」は幹細胞治療と言われ、血液や組織から取り出した細胞をカラダの外で培養増殖してから患部に入れます。「細胞を含まない治療」は、成長因子(サイトカイン)と言われる、カラダの中にもともとある、キズついた組織を修復しようとするものなどを血液や組織から抽出して患部に入れるものです。
当院では「細胞を含まない再生医療」、「PFC-FD™」を始めました。PRP(多血小板血漿)とよばれるものを応用して、キズついた組織を治すためのものや炎症を抑えようとする成分が多く含まれているものを血液や組織から抽出し、患部に注入する再生医療です。前述しましたとおり、もともと自分のカラダの中にあった成分であり、カラダにない新たなものや異種物は投与されませんのでアレルギー反応などのリスクが少なくて安心です。
治療は注射だけなので、手術や入院の必要はありません。
まず、当院の整形外科・関節センターを健康保険で受診頂き、再生医療の実施や日程を相談し決定します。その時に、MRI検査やリハビリテーション科で現時点での状態を正確に評価することがあります。
次に、①予約日にお越し頂いて、50mLほど(献血の1/4程度です)採血を受けて頂きます。② 3週後以降に再度お越し頂き、加工した成分を関節に注射して投与します(図. 2)。この2回の受診が自由(自費)診療になります。
それ以降は保険診療で、通院いただいて経過を診させて頂きます。
1回きりで、それ以降、必ず続けなければならないという決まりはありません。
3効果と副作用は?
変形性膝関節症の場合、その変形の程度によって効果は異なりますが、受けられた半年後に5~8割の方に効果があった(痛みが楽になった、など)といわれる報告があります。靱帯損傷や半月板損傷でも効果があるとされ、かの有名な日本人大リーグ選手やゴルフ選手が受けたことで知られています。海外の報告によると、日本では保険診療で認められているヒアルロン酸の注射よりも、効果が高いとされています。
もともと自分のカラダがもっている、損傷した組織を治そうとする成分を凝縮したものを投与されますので、アレルギー反応などのリスクが少なく、安全性が高いと言われています。
しかし、変形がひどいことによるO脚などが治るまで効果があることはありません。
4まずはご相談を
ヒアルロン酸の注射を受けているけど効きづらい方、痛くて歩けない方、人工関節をすすめられた方、まずは当院の整形外科・関節センターへお越し頂き、ご相談ください(ご予約をお取りの際には「再生医療の相談」とお伝えください)。