2020.01.15
心不全に備えた予防のお話
リレーエッセイ ~ ドクター編 Vol.11 ~
ここがポイント
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心不全って?
心筋梗塞や弁膜症、不整脈、高血圧といった様々な疾患が原因となって心臓の働きが低下し、息切れやむくみが起こり、だんだん症状が重くなり、最終的には生命を縮める病気です。
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心不全を予防するには?
薬物治療はもちろんですが、塩分や水分摂取量を管理し、血圧、脈拍数、体重などを記録するなど患者さん自身で出来ることがあります。
1「心不全」の予防について
いま循環器内科の領域では、「心不全」に対する取り組みがクローズアップされています。
心不全は、心筋梗塞や弁膜症、不整脈、高血圧といった様々な疾患が原因となって心臓の働きが低下し、息切れやむくみが起こり、だんだん症状が重くなり、最終的には生命を縮める病気です。
我が国の循環器疾患の死亡数は、”がん”に次いで第2位となっており、5年後の生存率が50%と予後は良くありません。
さらに困ったことに心不全を完全に治すことは出来ません。
そこでいかに心不全の発症を予防するかが大事となってきます。
薬物治療はもちろんですが、塩分や水分摂取量を管理し、血圧、脈拍数、体重などを記録するなど患者さん自身で出来ることがあります。自分で管理が難しい場合はご家族にも協力いただき、心不全症状を早期に見つけて必要に応じて治療介入し自宅で安心して暮らしていけるようにお手伝いをしています。また適度な運動を継続することが心不全予防に繋がることも分かってきており、当科でも通院での心臓リハビリテーションを新たに始めました。
将来的には地域の医療機関、介護施設などと連携、協力しながら地域全体で心不全を減らすための仕組みを構築したいと考えています。