治療について
腎疾患は、要所での専門的な介入と、長期にわたる総合的な診療が必要な進行性の疾患です。より早期から病診連携が疾患の進行を抑える有力な手段になると考えています。
糸球体性蛋白尿
ステロイドや免疫抑制剤などの原疾患に対する治療やアンギオテンシンⅡ抑制薬を中心とした降圧療法や食事療法により積極的な腎保護を行います。
急性腎不全
腎障害の原因を速やかに解明して治療を開始し、腎機能の回復を目指します。
保存期腎不全
原疾患や残腎機能、ADLにあわせて薬物療法や食事療法等の治療をします。カリウム制限食、貧血の治療、食事と薬剤によるリンのコントロールなどが必要です。
透析導入期慢性腎不全
血液透析を円滑に導入できるように、適切な時期に内シャント造設術を行います。透析導入により食事療法の見直しが必要です。また、この時期に発症進展しやすい動脈硬化性疾患、腎性骨症、網膜症などの合併症に対応します。
維持血液透析、腹膜透析
外来での血液透析は千船クリニックにて行っています。合併症などで入院が必要になれば、千船病院にて血液透析を行いながら、その治療をします。
慢性腎臓病について
糸球体腎炎や血管炎が疑われ、腎生検による確定診断が必要な場合には入院していただくことになります。積極的に腎生検による診断を行うことで、より早期に効果的な治療法選択が可能となります。腎生検入院は蓄尿検査、術後の安静を含め5~6日間の入院期間となります。治療開始が急がれる場合は、引き続き入院でステロイドや免疫抑制剤の投与を開始します。また、当院ではIgA腎症の扁摘パルス療法も行っています。耳鼻咽喉科の協力にて扁桃腺摘出術を行い、その後ステロイド療法を腎臓内科で行っています。